研究概要 |
今年度は、種々のAl化合物とパラニトロアニリン(pNA)との複合体を合成し、そのSHG特性について検討した。 1.pNA・Al化合物複合体のSHG特性 SHG強度はAl化合物(AlCl_3,AlCl_3・6H_2O,Al(OH)_3,Al(NO_3)_3)により大きく異なり、AlCl_3の時に最大となった。 2.pNA・AlCl_3複合体のSHG特性 SHG強度は溶媒により大きく異なり、アセトン>エタノール>ジクロロメタン>クロロホルム>酢酸エチル≧アセトニトリル=メタノールの順に減少した。そこで、以下の検討は、アセトンを用いて合成したpNA・AlCl_3複合体について行った。 pNA/AlCl_3比が1〜4の間で、SHG強度は18〜30となりpNA/AlCl_3比が2の場合に最大となった。pNA/AlCl_3=2の複合体のSHG強度は、反応温度20〜30℃の間であまり変化しなかった。同様な結果がpNA/AlCl_3=1の複合体についても得られた。 さらに、pNA/AlCl_3=2の複合体について、反応時間の効果を検討した。反応時間10時間では、SHG強度はほぼ0であった。反応時間20時間以上でSHG活性が発現し、20時間でSHG強度は最大となった。 3.SHG活性相 SHG活性なpNA・AlCl_3複合体には、XRDスペクトル中、2θ=18.9,21.6,23.7,29.3°に4つの新しいピークが観察された。このピーク強度はSHG強度とともに大きくなることから、これがSHG活性相であると推定している。 4.その他 SnO_2,In_2O_3をベースとした新しい低濃度CO_2センサの開発、種々の固体酸酸量の測定およびそれと有機化合物との複合体合成も行った。
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