1.パラニトロアニリン(pNA)と塩酸、臭化水素、硝酸、硫酸、12-タングストリン酸、リン酸等の無機酸との複合体を合成し、X線単結晶解析、元素分析、IR、^1H-NMR測定によりキャラクタリゼーションを行った。それらの中で、臭化水素酸塩は非対称中心構造を有し第2高調波を発生(SHG活性)であったが、その他の酸複合体では、SHGは観測されなかった。 2.pNAをゼオライト等の固体酸化物に担持、あるいは金属塩化物との複合体を合成し、そのSHG活性について検討した。それらの中で、pNA・AlCl_3複合体が最大のSHG強度を示した(対尿素比で約40)。このSHG強度は、pNA/AlCl_3比、溶媒、反応時間、水の含有量等により変化した。このpNA・AlCl_3複合体は、水の二酸化炭素からのメタノール合成反応には不活性であった。 3.SnO_2あるいはIn_2O_3を種々の金属酸化物で修飾した素子の中で、CaO担持In_2O_3が、O、1.1、1.8vol%の水蒸気の存在下、2080ppmのCO_2に対しそれぞれ12.9、9.9、6.6という高い感度を示すことを見出した。その感度は、作動温度やCaO担持量に依存した。さらに、La_2O_3担持SnO_2のCO_2検知機構を昇温脱離法を用いて検討した。その結果、CO_2を導入したときの抵抗の減少は、β-CO_2の吸着およびそれに伴うO^-やO^<2->の脱離により酸素分子と自由電子が生成するためであることが示唆された。
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