研究課題/領域番号 |
04650753
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
辻 康之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30144330)
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研究分担者 |
海老原 昌弘 岐阜大学, 工学部, 助手 (80201961)
川村 尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (40026125)
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キーワード | ケイ素化 / スズ化 / ジシラン / ジスタナン / 白金錯体触媒 / パラジウム錯体触媒 / 1、3ージエン |
研究概要 |
本研究では、ケイ素ーケイ素間に直接結合を有するジシラン類、またスズースズ間に直接結合を有するジスタナン類を遷移金属錯体触媒存在下1、3ージエン類と反応させた。その結果、以下に示す様な新規な知見を得た。 まず、ジシランを用いる新規シリル化反応に関しては、ケイ素上のフェニル基がジシランの反応性に極めて大きな影響を与えることを初めて見出した。すなわち、従来の研究によると、炭化水素置換基のみを有するジシランの遷移金属錯体触媒存在下における反応性は極めて低いとされていた。高い反応性を発現させるためには、ケイ素上にフルオロ、クロロ、メトキシ等の電子吸引性基が必要であった。しかし、本研究では白金錯体触媒を一酸化炭素加圧下用いることにより、ケイ素上のフェニル基の存在により、高収率で1、3ージエン類の1、4ージシリル化反応が進行することを見出した。速度論を用いた検討により、πーアレン白金錯体形成が重要であると提唱した。 また、ジスタナンと1、3ージエンとをパラジウム錯体触媒存在下反応させることにより新規反応であるジエンの二量化ダブルスタニル化反応が高位置かつ高立体選択的に進行し、ジエンが二量化し、そのα、w位にスタニル基が結合した新規化合物が得られることを見出した。本新規反応は供与性配位子を有しない0価錯体を用いることにより、室温という温和な条件下容易に進行した。 以上、本研究では遷移金属錯体触媒存在下におけるジシラン、ジスタナンを用いる1、3ージエンの新規ケイ素化ならびにスズ化反応を見出した。これらの新反応は有用物質の合成のため極めて重要であると考えられる。
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