フリーデル・クラフツ触媒としての無機固体担持ハロゲン化銅(II)および塩化亜鉛について検討した。アルミナ担持塩化銅(II)とシリカゲル担持塩化亜鉛が特に良好な結果を与えた。これらの触媒は分離、回収が容易で、しかも再生、再使用が可能である。 1.アルミナ担持塩化銅(II) 臭化銅は活性は高いが、同時にそれ自体が臭素化剤としても働いてしまうため適しない。塩化銅は非常に活性は弱いが、アルミナに担持すると著しく活性が増大した。芳香族炭化水素のベンジル化反応の触媒としては十分な触媒活性を示した。しかし、ハロゲン化アルキルによるアルキル化反応に対しては不十分で、1級および2級ハロゲン化アルキルを用いるとほとんど反応は進行しなかった。 2.シリカゲル担持塩化亜鉛 CuCl_2よりもやや触媒活性の高いZnCl_2をシリカゲルに担持すると著しく活性が増大した。芳香族炭化水素と塩化ベンジルや2級、3級ハロゲン化アルキルとの反応は温和な条件で進行し、異性化や脱アルキル化、重合等の副反応は全く起こらず、一置換体が高収率で得られた。特に、ビス(クロロメチル)ベンゼンと芳香族炭化水素の反応では、AlCl_3やFeCl_3を触媒に用いた場合に比べ、選択的に対応するジベンジルベンゼン類が高収率で得られた。
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