研究概要 |
前年度の計画実行により得られた新ホスト化合物を用いて、以下の検討を行った。 1)反応条件の検討 温度、pH、イオン強度、ホスト‐ゲスト間のモル比変化について検討する。また、ウレア、チオウレア、シクロヘキサノール等の添加効果についても検討する。包接不斉還元のメカニズムにつて確固としたものとする。今後、時間変化についても反応解析をHPLC分析により行う。不斉認が包接時なのか反応時なのかについて知見を得ると共に不斉認識のメカニズムについて明らかにし 2)包接錯体のプレキラルコンフォメーションについて検討 2-1)UV、蛍光法など分光学的にホストゲスト間の会合定数を検討した。 2-2)誘起円偏光二色性スペクトルにより錯体構造の知見を得た。 2-3)蛍光スペクトルから包接体内部のゲスト分子の環境を調べた。 2-4)400MHz NMRにより錯体の分子構造について詳細を得て、この不斉反応のプレキラル構造について議論した。 これらの結果について,別記のように具体的成果をSupramolecular Chemistry誌に取りまとめて発表すると共に,その考え方,バックグラウンドについてJ.Inclusion Phenomena誌に投稿した。 1)数種のアルキルアミノシクロデキストリン誘導体の存在下,芳香族alpha‐ケト酸のアキラルな還元剤による不斉誘導を行い,ホスト‐ゲストコンプレックスの構造と不斉選択性の相関について論じた。(Supramolecular Chemistry2,pp.209‐213(1993))。 2)シクロデキストリン空洞をキラル環境とした不斉誘導について最近の成果とその機構について合的に議論した。(J.Inclusion Phenomena and Molecular Recognition Chemistry,in press)
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