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1992 年度 実績報告書

細胞膜特性をもつ二分子膜電極素子の設計・作製

研究課題

研究課題/領域番号 04650830
研究機関長崎大学

研究代表者

中嶋 直敏  長崎大学, 工学部, 助教授 (80136530)

キーワード二分子膜フィルム / 二分子膜電極 / インピーダンス / マイクロ電極 / 相転移 / デバイス / 気相 / 電気化学
研究概要

本研究では、細胞膜と同様の特性をもっている人工脂質をポリマー化し、これを素材としてパターン電極およびマイクロ電極を修飾し、主に電気化学的手法により気相系でのキャラクタリゼーションを行った。得られた結果は以下の通りである。
(1) 新規に3種のポリマー型人工脂質および電気化学活性基を含む脂質を分子設計・合成した。
(2) (] SY.encircled1. [)で合成した脂質をマイクロ電極上に修飾し、気相系において交流インピーダンス応答を調べた。マイクロ電極の使用により、通常のパターン電極では不可能であった相転移型インピーダンス応答の分子論的メカニズムの解析が可能となった。示差走査型熱分析、熱重量分析および水晶振動子マイクロバランス解析の結果と合わせ、相転移によるインピーダンス変化が二分子膜界面でのオキソニウムイオンのモビリティ変化とカップリングしていることがわかった。伝導メカニズムとしては、活性化エネルギー計算よりグロチウス型が示唆された。
(3) 脂質の化学構造とインピーダンス応答の関係について調べたところ、ジエタノールアミン型脂質とクルタミン酸型脂質では、インピーダンス応答が異なることがわかった。すなわち前者は、相転移依存型のインピーダンス応答が得られるが、後者では、依存性を示さなかった。これは膜構造と電気化学応答が密接に関係することを意味する。
(4) 電気化学活性基をもつ人工脂質フィルム電極を作成し、電解質中においてレドックス特性をサイクリックボルタンメトリおよびクロノクーロメトリーにより解析したところ、膜相転移によりレドックス電流がコントロールできることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] N.Nakashima: "Phase Transition Dependent A.C.Impedance Response of Polymeric Ammonium Chloride Bilayer Films on a Patterned Electrode under an Usual Air Atmosphere." Denki Kagaku(電気化学). 60. 1156-1159 (1992)

  • [文献書誌] N.Nakashima: "Phase Transition Dependent Electron Transfer of Electrodes Coated with Multi-Bilayer Films of a Ferrocene-Carrying Synthetic Lipid Characterized by Cyclic Voltammetry and Chronocoulometry." J.Electroanal.Chem.333. 345-351 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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