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1992 年度 実績報告書

上水の生物力活性炭処理における吸着と生物分解の定量的検討

研究課題

研究課題/領域番号 04650841
研究機関東京大学

研究代表者

迫田 章義  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30170658)

キーワード生物活性炭 / 上水処理 / 吸着 / 微生物分解 / 活性炭
研究概要

1.緒言 生物活性炭による上水処理を本格的に実用化してゆく為には、まずそのメカニズムを理解することが必要不可欠と考えられる。そこで、本研究ではその第一歩として、生物活性炭の吸着能と微生物活性を別々に分離して測定し評価する手法を検討した。
2.実験と解析 充填層の入口からトレーサー物質をパルス的に導入し、その物質の出口からの流出を測定し、その流出の仕方(パルス応答)を種々の条件(微生物担体、トレーサー物質など)で測定した。得られたパルス応答を定量的に解析するために、パルス応答のモーメント解析を試みた。すなわち、充填層内で生じると予想される現象を数理モデル化し、そのモデルから数学的に導かれる各種のモーメントと実測値とを比較・検討した。
3.結果と検討 (1)パルス応答の0次モーメントから、微生物活性のひとつの指標となる総括の生物分解速度が得られた。また、1次(絶対)モーメントから、微生物量の増加に伴う吸着容量の低下に関する情報が得られた。このように、グルコースのパルス応答にモーメント解析を適用することによって、生物活性炭の吸着能と微生物活性を表すパラメータを別々に測定することができた。
(2)グルコースの生物分解を簡略化してモデル化し、グルコース自体の分解速度をkr_1、グルコースおよび微生物の代謝物を含んだ全有機炭素の分解速度(無機化速度)をkr_2として、それぞれ実験から決定した。得られたkr_1は、微生物坦体によってほとんど差がなかったことから、グルコース自体の分解は微生物担体の吸着能の有無や疎水性にかかわらず同じであると結論された。一方、kr_2は、吸着能のある担体の場合と吸着能のない担体の場合の差は顕著であり、前者が約3倍大きかった。この理由の解明にはさらに検討を要する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 迫田 章義: "飲み水の浄化への活性炭素繊維の利用" 水環境学会誌. 15. 868-873 (1992)

  • [文献書誌] 迫田 章義: "活性炭(分担執筆)" 講談社, 23 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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