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1992 年度 実績報告書

バレイショ品種の旱魃抵抗性の機構

研究課題

研究課題/領域番号 04660011
研究機関北海道大学

研究代表者

岩間 和人  北海道大学, 農学部, 助教授 (70144219)

キーワードバレイショ / 品種間差異 / 水分吸収 / 根長 / 気孔抵抗 / ダイナゲージ / 旱魃抵抗性 / 接木
研究概要

バレイショにおける旱魃抵抗性と地上部、地下部形質との関係を明らかにするため、一般栽培において旱魃抵抗性が異なるとされている2品種を供試して、圃場条件下で根の生長ならびに葉の気孔抵抗の生育にともなう推移を比較した。また、2品種の地上部と地下部の相反接木個体を適湿と乾燥の土壌水分条件下でポット栽培し、根からの吸水速度と地上部、地下部形質との関係ならびに環境条件との関係を調査した。
旱魃抵抗性の弱いとされているコナフブキは、強いとされている農林1号に比べ、深さ1mまでの全根長が標準の栽植密度下では約25%、また疎植および密植の条件下では約40%それぞれ少なかった。特に密植条件下では深さ30cm以下の心土層での差異が大きく、コナフブキは農林1号の半分以下の根長であった。葉の気孔抵抗の生育期間中の推移は、従来の知見とはやや異なり、両品種とも開花初め前後の時期で最も高く、その後は低下した。品種間の差異は、地上部最大期以降に明らかとなり、コナフブキは農林1号に比べ群落の中位および下位の葉の気孔抵抗が有意に高かった。
ポット実験では、台木がコナフブキの個体は農林1号の個体に比べ根長が小さく、両品種における根長の差異は主として地下部の遺伝的要因、特に塊茎の初期肥大速度の品種間差異に起因することが明かとなった。また、土壌の乾燥処理により両品種とも根からの吸水速度が減少したが、コナフブキ台木の個体では減少の程度がより大きかった。さらに、圃場で認められたと同様に、コナフブキ台木の個体は生育後期に気孔抵抗が増加した。
以上のことから、品種間における根長の差異は生育後期の水分吸収量に影響していると考えられ、次年度は圃場で土壌の水分処理を行ない、乾物生産への影響を検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岩間 和人: "ダイナゲージによるバレイショの茎流速度の測定" 日本作物学会紀事. 61(別2). 169-170 (1992)

  • [文献書誌] 高田 治: "根量を異にするバレイショ品種の相反接木植物における水ストレスの影響" 日本作物学会紀事. 61(別2). 167-168 (1992)

  • [文献書誌] 福嶋 淑恵: "栽植密度がばれいしょ根系の発達に及ぼす影響" 日本作物学会紀事. 61(別2). 165-166 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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