研究概要 |
平成6年度は、前年度に引続き、培養液の濃度・組成および光条件などがハーブ類の生育および香気成分に及ぼす影響を調査した。 1. チャービル・スープセルリー・コリアンダーの3種のセリ科ハーブを供試し、培養液濃度を標準の、1/4,1/2,1,2,4単位として、生育、無機成分含量、精油成分濃度に及ぼす影響について調査した。 生育については、いづれも1および2単位濃度区で優れ、高濃度の4単位区は明瞭に劣った。精油成分濃度も、生育の良かった1および2単位区で増加し、1/4および4単位区では減少したことから、これらセリ科のハーブでは、根にストレスのかかるような条件下では、生育、精油生成が抑制されると考察した。 2. 最近消費が増加してきているシソ科のハーブであるスイートバジルを供試し、培養液濃度(1/2,1,2,4単位)・光条件(0,45,70%遮光)の影響、カリウムとマグネシウムの濃度・比率などが生育および香気成分含量に及ぼす影響を調べた。 生育は、遮光70%で顕著に劣り、培養液濃度1単位で優れた。また、カリウム・マグネシウム濃度については、対照区であるK:4.8,Mg:2.4me/lおよびK:9.6,Mg:2.4me/l、すなわちK:Mgが2:1および3:1の時に生育、精油成分濃度ともに優れた。この結果をもとに、スイートバジルに好適な培養液組成を決定した。
|