研究課題/領域番号 |
04660028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
縄田 栄治 京都大学, 農学部, 助教授 (30144348)
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研究分担者 |
伊谷 樹一 宇都宮大学, 農学部, 助手 (20232382)
矢澤 進 京都大学, 農学部, 教授 (90026550)
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キーワード | 熱帯野菜 / 伝播 / 生態的特性 / 生化学的特性 / 種子タンパク |
研究概要 |
本年度も、一昨年度・昨年度に引き続き、主としてササゲ・トウガラシについて調査・研究を行った。ササゲについては、新たに入手したインド・中国の品種につき生化学的特性の検定を行った。また、昨年度から試みているDNAフィンガープリント法のうちRPIDの適用を試みた。以前は、PCR時の温度設定に問題があったのか再現性が低かったが、本年度はチャンバー内の温度勾配を実測し精度をあげたため、安定した電気泳動像を得ることができた。今後、この方法を用いて南アジア・東南アジア・東アジアの品種群の分類・類縁関係の推定を行い、従来行ってきた形態的・生態的特性及び種子タンパク電気泳動像による結果と比較検討を行いたい。トウガラシについては、一昨年度・昨年度を行っていた種子タンパクの分析に加え、種間交雑時のVLS(ウィルス様症状)の発現、CMV(キュウリモザイクウィルス)罹病株の無病微側枝発現について特に南西諸島在来品種を含むキダチトウガラシ(Capsicum frutescens L.)品種間の差異を検討した。Capsicum baccatum との交雑時にVLSを発現した品種と採取地域間には関連がなく、この形質による分類は現段階では困難であった。また、宮古島在来品種でCMV罹病株からの無病微側枝発現が見られた。これらの無病微側枝からはELISA法によるCMVは検出されておらず、無病微側枝の発生はこの地域のキダチトウガラシの持つCMV抵抗性と関係があるものかもしれない。今後、他の地域の在来のトウガラシ類についてもCMV抵抗性の有無・CMV罹病株からの無病微側枝の発生等について詳細な調査を行い、この形質に関する遺伝子の分布を明らかにする必要がある。 今年度は、以上の結果をふまえて3年間の調査・研究の総括を行い、報告書の作成を行った。
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