研究課題/領域番号 |
04660047
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三浦 健 三重大学, 医学部, 助手 (60219582)
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研究分担者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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キーワード | ビリベルディン結合蛋白質 / 体液タンパク質 / ホソヘリカメムシ / 卵黄形成 / レセプター / 幼若ホルモン / 分子生物学 |
研究概要 |
現在までに以下の知見を得た。1.卵巣・脂肪体からの細胞膜画分の調製法がほぼ確立した。当初は超遠心を用いたミクロゾーム画分の調製なども検討したが、最終的にはホモジナイズで得た比較的大きめの膜断片をCa^<++>存在下で遠心により回収する方法を簡便で、結合実験にも用い易いことがわかった。 2.リガンドブロット法については調製した膜画分をもちいて数回試みているが、バックグラウンドのバンドが多く、現在、膜タンパクを泳動する際に低温・非還元条件下で行ない、ゲルを8M尿素中で震とうし、SDSによる変性を回復させる、ブロッティングはメタノール非存在下で短時間行なう等の改良により改善された結果が得られるようになった。3.各発育ステージの虫から卵巣に入るべきCP-1を精製し、^<125>Iでラベルしてin vivoでの取り込みを調べたところ、非休眠雌成虫のCP-1のみが取り込まれた。また、幼虫期の脂肪体mRNAを解析したところ、in vitro翻訳産物中としてはanti-CP-1とクロスするが、northern解析ではCP-1(A subunit)cDNA probeとはクロスしないmRNAが存在しており、同じCP-1でも生殖期のものとそれ以外の時期のものとは性質が一部異なっていることを示唆している。4.リ.ガンドであるCP-1とCP-4の糖鎖について各種ビオチン化レクチンを用いて解析した。両者ともCon Aとは強く反応したが、シアル酸特異的なMAMとSSAについてはCP-4が強く反応し、糖鎖末端でのシアル酸の存在が示唆された。それに起因するCP-4表面の陰電荷の存在がおそらくCP-4の卵巣レセプターへの結合阻害に関与していると思われる。5.卵巣からのRNA抽出法を確立した。卵巣はタンパクや多糖を多量に含み、従来の超遠心法やAGPC法ではなかなかきれいなRNAを得ることができなかったが、AGPC法でのアルコール沈澱のステップにアクリル系のキャリアを加え、室温で沈澱させることにより多糖の共沈をおさえ、翻訳活性のあるRNAが得られるようになった。
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