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1993 年度 実績報告書

ハダニ-捕食性カブリダニ相互作用システムにおける休眠性の生態的・進化的意義

研究課題

研究課題/領域番号 04660049
研究機関京都大学

研究代表者

高藤 晃雄  京都大学, 農学部, 助教授 (50026598)

研究分担者 久野 英二  京都大学, 農学部, 教授 (10026560)
キーワード休眠 / カブリダニ / ハダニ / 遺伝的変量 / 捕食者-被捕食者システム
研究概要

(1)ケナガカブリダニの休眠性の遺伝的制御機構と非休眠系統の選抜
ケナガカブリダニの休眠性の変異は連続的でポリジーン支配であることが推察された。日本各地の個体群より休眠性に対する選抜を行なった結果、休眠性の弱い沖縄個体群から18℃9Lでの休眠率が10%前後の非休眠系統を作成したがその形質は不安定で、純系は得られなかった。また、この個体群から休眠性系統の作成には成功しなかった。一方、休眠性の強い個体群から休眠率が安定して90%以上の休眠系統が作成されたが、逆に、このような個体群から非休眠系統の選抜は困難であった。さらに、各個体群間の増殖力などの生態的特性の変異を調べた結果、休眠性の低い沖縄個体群のほうが、休眠性の強い本州個体群よりも発育期間が短い傾向が見られた。しかし産卵数と休眠性の強さとの間に特にトレードオフの関係は認められなかった。
(2)休眠性の異なるケナガカブリダニ系統とナミハダニの相互作用
上記の実験で得られた休眠性の強い系統と弱い系統を別々に、予め休眠性のきわめて弱いナミハダニを増殖させた無加温ビニルハウス内のパンジーに秋に導入し、越冬生態と個体数変動を調べ、カブリダニのハダニ制御能力を比較した。夜間の温度が外気温とほとんど変わらないこのビニルハウス条件下では、ナミハダニは増殖を続けたが、カブリダニの増殖率は両系統ともきわめて低かった。また、非休眠系統のほうが発育がはやく、個体群増殖率がやや高かった。しかし、いずれの系統でもこの冬期温度条件下ではハダニの制御力が低いと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] TAKAFUJI,A.: "Insect life-cycle polymorphism:theory,evolution and ecological consequences for seasonality and diapause control" Kluwer Academic Publishers(印刷中), (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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