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1994 年度 実績報告書

ハダニ-捕食性カブリダニ相互作用システムにおける休眠性の生態的・進化的意義

研究課題

研究課題/領域番号 04660049
研究機関京都大学

研究代表者

高藤 晃雄  京都大学, 農学部, 助教授 (50026598)

研究分担者 久野 英二  京都大学, 農学部, 教授 (10026560)
キーワード休眠 / カブリダニ / ハダニ / 捕食者-被捕食者システム / 遺伝的変異
研究概要

1.ケナガカブリダニと餌種の休眠性の共進化の可能性
本州中緯度域に分布するケナガカブリダニと、その餌種のハダニ類の休眠性における諸特性を比較し、それらの間の対応関係を調べた。餌種のハダニには、種間だけでなく、同じ種でも地域個体群によって休眠率、および休眠誘起の臨界日長に変異が大きかった。これに対し、ケナガカブリダニでは個体群間の変異が小さく、両者間の休眠特性には明確な対応関係は検出されなかった。例えば、餌種が休眠性を全く持たないアシノワハダニでも、休眠性の強いカンザワハダニであっても、同所的に発生するケナガカブリダニの休眠率には顕著な差がなかった。ただ、一部の地域では、カンザワハダニの臨界日長に個体群間の変異が大きく、それに対応してケナガカブリダニの臨界日長も変化した。以上から、ケナガカブリダニの休眠性は、餌とするハダニの休眠性に依存して進化した側面は小さく、冬の寒さに対する適応戦略として進化したと考えられた。
2.ケナガカブリダニの休眠性と増殖率の関係
休眠性の異なる青森、京都および那覇個体群を用い、いくつかの温度条件下における発育と増殖のパラメタを比較した。休眠性の強い青森個体群では18℃および20℃において、休眠性が中程度の京都個体群では18℃の低温区で、総産卵数が25℃の高温区にくらべて有意に少なかった。一方、休眠性が弱い那覇個体群の産卵数には温度の影響が小さく、冬期でも繁殖可能な沖縄では、低温でも高い繁殖力を維持する方向に選択が働いたと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kishimoto,H.& A.Takafuji: "Variations in the diapause cbaracteristics of Amblyseius womersleyi Schiua (Acari:Phytoseiidae)" Journal of Acarological Society of Japan. 3. 59-67 (1995)

  • [文献書誌] TAKAFUJI,A.: "Insect'life-cycle polymorphism:theory,evolution and ecological comsequence for seasonality and diapause control" Kluwer Academic Publishers, 378 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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