• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

植物の自己防御タンパク質、キチナーゼの構造と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660056
研究機関九州東海大学

研究代表者

荒木 朋洋  九州東海大学, 農学部, 助教授 (20193071)

キーワードchitinase / chitin / plant chitinase / PR-protein
研究概要

ヤマノイモより分離した酸性キチナーゼのうち構造が明かでない2種のキチナーゼ(YC1,YC2)について構造解析を行った.まず両者について還元カルボキシメチル化後,トリプシンで消化し,高速液体クロマトグラフィーでペプチドマップを作成した.このマップをクラスIキチナーゼである高分子酸性キチナーゼ(YC3)のそれと比較した結果,両者ともクラスIIIキチナーゼであることが明かとなった.そこでYC1について構造解析を行った.すなわちYC1を還元カルボキシメチル化後トリプシン,キモトリプシン及びエンドプロテイナーゼAsp-Nで消化し,高速液体クロマトグラフィーで断片化ペプチドを分離した.各ペプチドはアミノ酸組成分析,アミノ酸配列分析を行い他のクラスIIIキチナーゼの配列と比較した.その結果YC1の約90%の配列を明らかにし,キュウリ酸性キチナーゼと塩基性キチナーゼであるヘバミンの中間的な構造であることを明らかにした.
一方,すでに配列を明らかにした高分子酸性キチナーゼ(YC3)についてS-S結合の決定を行った.すなわちYC3を酸性プロテイナーゼ及びサーモライシンにより消化し,高速液体クロマトグラフィーで断片化ペプチドを分離した.蛍光試薬(SBD-F)によりS-S結合を検出し,リクロマトを行って精製した後,過ギ酸酸化によりS-S結合を切断した.このペプチドについてアミノ酸分析及びアミノ酸配列分析を行い,S-S結合の位置を決定した.その結果YC3の主構造部分において前半に2カ所,後半に1カ所のS-S結合が存在することを明らかにした.この位置は植物キチナーゼで唯一S-S結合の位置が報告されているライ麦キチナーゼのそれと比較すると後半のS-S結合の位置が異なっていた.このため主構造部分の後半は構造的にフレキシブルであると推定された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Araki,T.,Funatsu,J.,Kuramoto,M.,Torikata,T: "Amino acid sequence of the N-terminal domain of yam aerial tuber acidic chitinase." Plant Molecular Biology. 19. 351-354 (1992)

  • [文献書誌] Araki,T.,Funatsu,J.,Kuramoto,M.,Konno,H.,Torikata,T.: "The complete amino acid sequence of yam chitinase." The Journal of Biological Chemistry. 267. 19944-19947 (1992)

  • [文献書誌] 野村 将三,荒木 朋洋,今野 浩之,蔵本 真由美,鳥潟 隆雄: "ヤマノイモ低分子酸性キチナーゼの部分アミノ酸配列" 九州東海大学農学部紀要. 12. 11-18 (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi