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1993 年度 実績報告書

植物の自己防御タンパク質、キチナーゼの構造と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660056
研究機関九州東海大学

研究代表者

荒木 朋洋  九州東海大学, 農学部, 助教授 (20193071)

キーワードchitinase / chitin
研究概要

ヤマノイモに含まれる酸性キチナーゼは構造解析によりクラスIおよびクラスIIIキチナーゼであることが明らかになったので,キチナーゼに対する高分子基質であるグライコールキチンを用いて両酵素の物理化学的性質を調べた.反応を調べた結果,至適pHはクラスIキチナーゼ,クラスIIIキチナーゼともpH3.5付近とpH8.0付近の2ケ所に存在することが明らかになった.至適温度はpH3.5ではクラスIキチナーゼが50℃,クラスIIIキチナーゼが60℃であった.pH8.0ではクラスIキチナーゼが60℃,クラスIIIキチナーゼが70℃であった.pH安定性は両酵素とも非常に高く,pH2でも70%以上,pH6から11ではほぼ100%の活性を維持した.熱安定性はクラスIキチナーゼが60℃まで,クラスIIIキチナーゼが80℃まで安定であった.これらのことから.両キチナーゼは安定な蛋白質で,特にクラスIIIキチナーゼは非常に強固な立体構造を有することが推定された.
一方,クラスIキチナーゼ抗体を用いてヤマノイモのムカゴ組織中のキチナーゼの存在部位を調べた.まず,ムカゴの組織自体の構造が明らかでないのでパラフィン切片を用いて種々の染色法で組織構造を調べた.その結果ムカゴは表皮細胞の内側に葉緑体を含む層が2-3層存在し,その内側にデンプン粒を生合成する層が存在した.内部はほぼ均一な澱粉顆粒細胞で構成され,所々にタンニン顆粒が存在した.これらのことから,ムカゴは塊茎組織であることが明らかとなった.ムカゴ切片をクラスIキチナーゼ抗体を用いて免疫組織染色したところ,葉緑体細胞周辺にクラスIキチナーゼの強い発現が認められた.また,ムカゴの成熟の過程での発現の変化を調べたところ,クラスIキチナーゼは登熟期に強く発現するが,完熟期には発現量が低下することが明かとなった.

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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