研究課題/領域番号 |
04660111
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河合 啓一 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002064)
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研究分担者 |
鈴木 徹 岐阜大学, 農学部, 助教授 (20235972)
高見澤 一裕 岐阜大学, 農学部, 教授 (00159005)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 希土類元素集積細菌 / イットリウム / 低栄養性微生物 / レア・ア-ス / イッテルビウム / イットリウム集積細菌 / イッテルビウム集積細菌 |
研究概要 |
最先端材料として注目されている希土類元素を集積する微生物を得るために、希土類元素の一つであるイットリウム(Y)を対象に、目的とする微生物のスクリーニングを行なった。通常の肉汁培地など高濃度の栄養濃度条件では、Yが栄養成分と複合体を形成、不溶性の沈殿物となることが判明したため、通常の栄養培地では実験の継続が困難であった。培地成分を詳細に検討した結果、培養成分の濃度を100分の1に下げると、Yとの沈殿形成が起らないことを認めた。このようなことから、低栄養培地で増殖可能な低栄養性微生物に着目した。低栄養性細菌は、希薄な各種の元素を積極的に取り込みかつ菌体内に蓄積する能力が高いことが明らかにされているので、低栄養性細菌の中には、微量に存在している希土類元素を菌体内に集積する能力を獲得しているものが存在している可能性がある。そこで、低栄養性細菌を対象に、Yを集積する細菌をスクリーニングし、7菌株(A〜G)得ることができた。これらの菌株のうち、集積能力の高かった菌株B、D及びFについて、同定試験を行なったところ、菌株BとDはComamonas acidovorans、菌株FはVariovorax paradoxusと同定された。希土類元素の集積スペクトルを調べたところ比較的高い減少量を示した元素として、La、Ce、Pr、Ndに加えTb、Dy、Ho、Erなどがあり、選択的に集積していることが窺われた。これら一連の研究では、重希土類元素を集積する微生物を得ることが出来なかったので、次に、重希土類元素としてイッテルビウム(Yb)を用いて、その集積細菌のスクリーニングを行なった。その結果、5菌株を得ることができた。このうち、3菌株は放線菌であった菌株3-1は、特にYbを選択的に集積することが判明した。これら一連の研究成果は、希土類元素の精錬に、ここで示した特異的な能力を持つ微生物の導入が可能であることを示唆しており、今後、さらに研究を発展させるつもりである。
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