^<13>C-^<13>C結合観測法の感度増大法として、DEPT C-C relay法を新たに開発した。DEPTを用いることにより、可変プロトンパルス幅によるスペクトル編集が可能となり、CH_3-C、CH_2-C、CH-Cの各結合を区別して観測することにはじめて成功した。これにより、分岐炭素などで複数のJ_<CC>が重なってあらわれ、正確なJ値を読むことが困難な場合でもそれぞれのJを分離して観測することが可能となった。また、INADEQUATE法に比べたリレー法の大きな欠点として、観測アイソトポマー(^<13>C-^<13>C)の100倍存在する^<12>C-^<13>Cアイソトポマーに由来するセンターシグナルの残存であるが、DEPT編集によってこの不要な一量子コヒーレンスシグナルが相殺されて強度が減少するという副次的効果がえられた。これまでは四級以外のプロトン化炭素上ではリレーシグナルの観測が不可能であったが、DEPT編集によってC-C relay相関のプロトン化炭素上での観測がかなりの部分で可能となった。 さらに、分極移動の手掛かりとなる水素が少ない四級炭素の連続する系において、炭素-炭素間の磁化移動を遠隔Jによる方法を検討し、^1J_<CH>/^3J_<CC>や^3J_<CH>/^3J_<CC>のリレーによって最長で6結合離れた水素と炭素の相関をえることに成功した。この場合、遠隔J_<CC>値が小さいことから、前述のセンターシグナルの効率的除去が重要となる。この点については、BIRDフィルターの使用が有効であった。 これに関連して、水素核の磁化を炭素に移す方法として、異種核NOEについて検討を行なった。また、^<13>C核の情報を有効に利用する新しいNMR測定法の開発という観点から、ω_1ヘテロ半フィルター2D法の1D化法であるPASS(Paired Satellite Selection)法を開発し、遠隔J_<CH>の精密決定の道を拓いた。
|