研究概要 |
チモシーがまの穂病菌感染によってチモシー植物体(チョーク)に生成する抗菌物質の検索を行なった。酢酸エチル可溶区から以下の6種の新化合物を単離し、立体化学を含めた構造決定を行なった。 1.ラクトン類 GamahonolideAとそのコハク酸エステル(GamahonolideB)。抗菌活性としては、Cladospodium berbarumに対し、シリカゲルプレート上で25μg/spotの活性を示した。 2.フェノール類 Gamahorin〔(3S,4R)-3.4-dihydro-8-hydroxy-7-hydroxymethyl-3.4-dimethyl-1H-2-benzopyran-1-one〕と5-hydroxy-4-phenyl-2(5H)-furanone。上記と同様の抗菌テストにより10μg/spotの活性を示すことが分った。 3.スフィンゴイド類 3-hydroxy-9-oxo-4-tetradecyl-5-oxa-1-azabicyclo〔4,3,0〕nonane-2-methanolと3-hydroxy-9-oxo-4-(4E-tetradecenyl)-5-oxa-1-iazabicyclo〔4,3,0〕nonane-2-methanol。上記と同様の方法で抗菌活性を調べたが、活性は示さなかった。 以上の研究と並行して、チモシーがまの穂病菌(E.typhina)の培養液中の抗菌物質生産能力を高めるため、培地、培養条件、菌株についての検討を行なった。バレイショ前汁に、ペプトン、malt extract,yeast extractを添加することにより活性を高めることが出来た。
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