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1992 年度 実績報告書

複層林等の施業下における土壌の理化学性の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660154
研究機関宇都宮大学

研究代表者

加藤 秀正  宇都宮大学, 農学部, 教授 (20008014)

キーワード複層林 / 混交林 / スギ林 / 塩基の蓄積 / 養分富化
研究概要

初年度は塩基飽和度を異にする黒ボク土(栃木、岩手、千葉)地域および非黒ボク土地域(岐阜)を選び、林分および土壌の調査、分析を行った。結果の概要は以下のとおりである。
(1) スギ、ヒノキ、ナラ、アカマツ林(単層林)を調べた結果、スギ壮齢林土壌でカルシウム、マグネシウムなど交換性塩基の蓄積がみとめられた。またこれに伴うpHの上昇や窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの養分量の増加もみとめられた。これは林齢の進行とともにこうした傾向が強まり、塩基飽和度の低い北関東の黒ボク土に成立した森林でとくに著しかった。
(2) スギーヒノキ混交林では、スギ混交率が高い林分ほど土壌の理化学性に変化がみられ、スギ単層林の特徴が明瞭にあらわれた。この混交率の違いによる土壌の理化学性への影響は、黒ボク土壌では塩基飽和度の低い栃木土壌で大きく、塩基飽和度の比較的高い千葉、岩手土壌で小さかった。
(3) スギーヒノキ,スギースギなどの複層林では、上木のスギ林の林齢が高いほど上述(1)のスギ単層林土壌の特徴がみとめられた。単層林や混交林と同様、複層林でも土壌の理化学性の変化の程度には土壌の母材や雨量の違いが反映することが示唆された。
以上のように人工林の普通伐期程度の期間でも、樹種や施業方法の違いが土壌のpHや養分の維持改善に一定の役割を示したものとして応用的意義がある。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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