研究課題/領域番号 |
04660172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山本 誠 高知大学, 農学部, 教授 (70036721)
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研究分担者 |
池本 彰夫 高知大学, 農学部, 教授 (00093948)
後藤 純一 高知大学, 農学部, 助教授 (90127928)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 択伐林への移行 / 最適施業法 / 作業システム / 施業方式 / 完全機械化 / 林内走行車両 |
研究概要 |
本研究は、森林の経済的機能と環境制御機能とを巧妙に均衡させながら、有効に木材生産を恒続的に行うことを前提とするものである。今日の既開発国の森林のほとんどがそうであるように、針葉樹中心の不自然林を人為的に早期に安定した森林に導きつつ高い林業利潤も期待しようとする積極的技術の体系化はなされていない。森林がもつ本来的機能を100%発揮し得る施業を想定して、最適森林状態とその施業法を現実の諸問題を包含して検討しなければならない。当初の研究計画に対して、収集できた択伐施業データの質が十分信憑性の高いものが少なく、理論的な計画法と手法を提示し得る段階にまではいたらなかった。ただ、実用的なレベルの成果として、今日の森林の中に完全機械化された労働力を導入する技術として論議することはできた。その結果として、林内に完全機械化の小型造林機械を新たに開発し、若齢林分を対象に下刈り作業を無人で実施することから始める。急傾斜地に車両系機械を導入するについては、その運動能力、特に俊敏性と安定性が大きな課題になる。俊敏性を高める手法としては、高出力の動力を備えるよりも、小型軽量に設計して少ない動力でも自由に行動できるようにすることが、高い効率を得易いことが、本研究の結果からも証明できている。ここでは、完成重量650.kg以内を想定したヘルダータイプのロボット式の完全自動制御の作業機を考えた。これによれば、山腹傾斜35゚、登坂性能30゚、静的転到角度60゚、でha当たりの障害物の遭遇頻度が4200個前後の場合でも支障なく移動できる。これに、姿勢の完全自動制御、苗木識別制御、移動ルートの自動探索と学習機能、迂回旋回法の自動判断機能などを具備させねばならない。不自然林をより安定した森林として択伐林が考えられたが、それへの人為的アプローチにも、現下の労働力不足を鑑みると、完全自動式機械の開発導入を否定することは出来ないだろう。
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