研究概要 |
アルミノケイ酸塩発泡体を主成分とするシラスバルーンの特性を利用して硬質木質セメントボードの諸性質の改良、特にその軽量化を試みた。セメント/木質比:2.5に設定し、シラスバルーン添加量と成板の可否、及び作成したボードの諸性能の検討を行った。 本年度は、先ず養生条件と曲げ強さ、硬化促進剤である塩化カルシウムの添加硬化について検討し、この結果を基にセメント/木質比:2.0、シラスバルーン/セメント比(以下バルーン比):0〜0.5、目標比重:0.6〜1.2、圧締20℃,65%r.h.,48h、脱型養生50℃,95%r.h.,24hの条件で35cm×35cm、15mm厚の供試ボードを作成し、諸性能の検討を行った。 結果を要約すると以下の通りである。 (1)曲げ性能及び内部結合力については、比重0.8以上のボードで、バルーン比:0.1、0.2のものについて向上効果が認められたが、バルーン比がそれ以上ではかえって低下した。また比重0.6のものではバルーンの添加に影響されず、ほぼ一定であった。 (2)吸水率、吸水厚さ膨張率については、吸水率は比重依存性が強く、バルーン比に関係なく同比重のものではほぼ一定であったのに対し、膨張率ではいずれの比重においてもバルーン比:0.1で顕著な効果が認められ、高比重のものほど顕著であった。 (3)熱伝導率については、比重1.2のボードではバルーン比0.3、比重1.0、0.8では0.2から効果が現れるが、その低下は5〜10%であった。比重0.6のものではバルーン添加によらずほぼ一定であった。 (4)いずれのボードでも表面性状はバルーンの添加により著しく改善された。特に低比重ボードで顕著であった。
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