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1992 年度 実績報告書

セルロース系透析膜のカチオン化による血液適合性と無機リン透過性の改良

研究課題

研究課題/領域番号 04660185
研究機関静岡大学

研究代表者

鈴木 恭治  静岡大学, 農学部, 助教授 (00109133)

キーワード透析膜 / 再生セルロース / カチオン化 / 接触角 / ゼータ電位 / 補体
研究概要

現在、人工腎臓用の血液透析膜の基材として用いられている再生セルロースは生体適合性と無機リン透過性に問題がある。本研究では、これらの問題に対処するため、膜表面のカチオン化を採り上げた。カチオン化の方法としてマイケル反応とホフマン分解を利用し、再生セルロース膜表面の水酸基を1級〜4級アミノ基に換えた陽荷電膜の調製を試みた。
再生セルロース膜のカルバモイルエチル化には2法あり、ひとつはアクリロニトリルを付加させた後、過酸化水素で加水分解する方法で、今ひとつはアクリルアミドモノマーを直接マイケル付加させる方法である。両法とも水酸化ナトリウム濃度0.05〜0.1mol/l、反応温度40℃〜50℃で容易にカルバモイルエチル化されたが、特にアクリロニトリル付加は速やかに進行した。しかしアクリルアミド付加法でも50℃、6時間の反応でDS換算約0.1のカルバモイルエチル化再生セルロース膜を得ることができた。カルバモイルエチル化膜のN塩素化はほぼ定量的に進むが塩素化後のジアミンとの反応は定量的に進行しなかった。ジアミンとの反応については、効率的な反応条件を現在検討中である。
表面をアミノ化した膜の接触角を液滴法で測定した結果、反応の進行とともに接触角が増加した。これはカチオン化による膜の表面性状の変化を示すものである。また膜表面のゼータ電位を流動電位法で測定した結果、カチオン化したにも拘わらずゼータ電位は陽転せず、未処理再生セルロース膜の表面負荷電を中和するに止まった。
補体価測定キットにより、膜の生体適合性を検討した結果、膜のカチオン化により補体活性が抑制されることがわかり、生体適合性向上が示唆された。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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