研究概要 |
1.東京大学海洋研究所白鳳丸の航海で得た、38,50,120,200KHzの4周波の音響データとネット採集による生物データを解析した。対数生物量と平均体積散乱強度との関係は一次回帰式によって示された。散乱モデルとして非共振モデル、鰾共振モデル、体共振モデルについて検討した結果、今回得たデータの4周波の周波数特性には体共振モデルが適合した。 2.この体共振モデルを用いて4周波の平均体積散乱強度の差から対象生物の主要なサイズを推定する方法を考えた。しかし現段階では推定サイズと採集生物のサイズは相対的傾向は一致するものの、まだ満足すべき結果にはいかなかった。これは推定法の偏りだけでなく採集法の偏り、すなわちネットアボイダンスも考えられる。両面からの検討が必要である。 3.東京大学海洋研究所淡青丸装備の音響機器で2周波(50,200KHz)の音響データとネット採集による生物データを収集し解析した。上と同様な推定法を適用した結果、上記の場合に比べるとサイズ推定も可能であるように思えた。このサンプルではプランクトンの種組成が比較的均一なので本推定法の偏りがあまり出ないと考えられる。この点をさらにデータを収集し検討する。
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