研究概要 |
1.変態プエルルスの作出 平成3年の孵化郡から、Panulirus japonicus2尾Jasus verreauxi 16尾、J,edwardsii 5尾の変態個体を得ることがてきた。またPalinurus elephas の平成4年の孵化郡からは3尾が変態した。これらの個体はプエルルスの行動観察を行うに最小限必要な尾数であったが、生育に伴う体組織の変化を追跡し、さらに環境要求を解明するには必ずしも充分ではなかった。そこで、イセエビ国際共同研究を実施してきたニュージーランドからJ,edioardsii、オーストリアからJ,verreauxi、米国からPanulirrus argrsのプエルルスを空輸し実験材料を充実した。 2.幼生の飼育条件 フィロゾーマ期の飼育条件として、Nannochloropsis100〜500万cells/ml、COD1.2ppm以下、細菌数10^3〜10^5CF4/mlを適用した結果、P.japonicusの初期(1〜10令)の生存率の著しい向上が見られた。しかし、中期(11〜15令)に高い死亡が生じた。この原因は幼生の生育段階に伴うと言うよりもNannochloropsisの季節的な変質に伴う水質浄化能の低下の考える。この間の死亡率は90%を超えたが、減菌海水飼育に切り替えたところ死亡は治まり、現在5尾生残している。しかし、Nannochloropsis 培養海水に較べ脱皮間期が長く(12日に対して15〜25日を要する)、Nannochloropsisの効果が更めて確認された。季節的影響を受けないその培養が必要である。 3.プエルルスの生理・生態に関する実験 J,edwardsiiのプエルルスの中腸線の前葉、中葉の先端部には栄養肺臓器官と考えられる脂肪体が存在する。変態直後から着底するまでのプイルルスは透明であるが、着底後次第に色素を沈着して稚エビに脱皮する。色素沈着プエルルスの中腸線上皮細胞の核下節には脂質の蓄積が認められ、脂肪体に由来することが明らかになった。P.argusプエルルスの輸送実験を行った。
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