• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

海藻の生理活性物質、特に循環器障害の防御作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04660223
研究機関三重大学

研究代表者

野田 宏行  三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024825)

研究分担者 天野 秀臣  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024830)
キーワードフノラン / フノランの化学構造 / 高血圧作用 / 抗高脂血症作用
研究概要

フノリ粉末が血圧降下、血清脂質の改善に著明な効果を有する点に着目して、夫々の作用機序を明らかにするために研究を行い次の成果を得た。
1)マフノリの熱水抽出物の95%エタノール沈殿画分を透析後5%CPCで沈殿させた。本画分を4MKclに溶解後エタノール沈殿を集めて2%トリプシン処理(PH7.0)し、トヨパールHW-65Fにかけて得た画分をセルロースアセテート膜電気泳動に付すと単一バンドを得た。この精製フノランの平均分子量は約9万であった。
2)フノランの化学性状を調査するために、PH6の酢酸、酢酸ソーダ緩衝液中でアガラーゼを48時間作用させ、99.9%エタノール沈殿画分をセファデックスG-25のゲル3過に付したところ単一のピークを示し、TLCでネオアガロビオースと同定された。本物質のIR,^<13>C-NMR,H-NMRからガラクトースと3.6-アンヒドロガラクトースが1.4結合し、ガラクトースの2位と3.6-アンヒドロガラクトースの2位に硫酸が結合したエステル硫酸であることが証明された。
3)フノランを投与すると、実験的に食餌性高血圧、高脂血症を起こさせたラット血清の総コレステロール、遊離コレステロール、中性脂肪、低比重リポタンパク質・コレステロールが低下し、高比重リポタンパク質・コレステロールの上昇が顕著であった。
4)フノランを投与すると、血圧は低下し、排尿量と尿中の電解質の排泄が増加したが、フノランは利尿を促進し、血圧を低下させると考えられた。さらに、血清中の血液性状の改善効果は血中、末梢血管から肝臓へ脂質転移後肝中にコレステロールを蓄えるのではなく、血中の脂質を糞中に排泄させたものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Dalin Ren: "Study on antihypertensive and antihyperlipidemic effects of marine algae" Fisheries Science. 60. 83-88 (1994)

  • [文献書誌] Dalin Ren: "Antihypertensive and antihyperlipidemic effects of funoran" Fisheries Science. 60. 423-427 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi