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1993 年度 実績報告書

抗エイズウィルス性硫酸化多糖の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 04660226
研究機関香川大学

研究代表者

奥谷 康一  香川大学, 農学部, 教授 (00036013)

キーワード抗HIV-1 / 硫酸多糖 / 海洋細菌 / 抗ウイルス作用 / 多糖
研究概要

瀬戸内海で採集したナマコ(Stichopus japonicus)から分離した多糖生産性海洋細菌Pseudomonas sp.HA-318の生産する多糖は、硫酸化することにより強い抗HIV-1活性を発現したことより、その化学構造を解析し抗ウイルス活性との関連を明らかにする目的で研究を行った。多糖のホルムアミド溶液中クロロスルホン酸を作用させることにより、硫酸化多糖を得た。これをエタノールによる沈殿、第四級アンモニウム塩による沈殿およびDEAE-celluloseイオン交換クロマトにより精製すると均一性の高い標品が得られた。本多糖のH-1 NMRスペクトル(500MHz)では、δ=5.33,5.29,5.18,4.82,4.72ppmにアノメリックプロトンのシグナルが得られ、本多糖は、5糖残基の繰り返し構造と推定された。また、δ=2.05にアミノ糖のN-アセチル基、δ=1.45にアセタール結合のピルビン酸に基ずくシグナル、δ=1.23には、フコサミンの6-0-メチル基が示された。ピルビン酸のシグナルは、脱ピルビン酸処理により消えたことより確認された。一方、C-13NMRスペクトルから、δ=25.3にN-アセチルアミノ糖、δ=27,8にピルビン酸、δ=19.0に6-0-メチル基を示すシグナルがそれぞれ認められた。脱ピルビン酸処理により、δ=27.8のシグナルは消えたことよりピルビン酸が確認された。
抗ウイルス性硫酸多糖は通常高い硫酸含量(S>10%)を示すが、この試料は、低い硫酸含量で抗HIV-1(MT-4cell)活性を示した。この硫酸化多糖は、DEAE-celluloseカラムクロマトグラフィーによりA-1(S=5.6%),A-2(S=8.8%),A-3(S=9.9%),およびA-4(S=5.8%)に分画され、各々は共通の構成成分より成り、S含量のみに相違がみられた。抗HIV-1活性は、A-1で最も高く、50%細胞障害阻止濃度は0.69μg/mlであり、デキストラン硫酸(DS5000の)の1.5μg/mlより高い値を示し構造と活性とに関連性が認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 奥谷 康一: "海洋細菌由来多糖の硫酸化による抗HIV-1活性の発現(英文)" 日本水産学会誌. 59. 1443 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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