(1)1986年から1991年の期間において、日本農業の保護水準の変化が食品産業にどのような影響を及ぼしたかを、全ての産業について内外価格比をもとめ、これをもとにERPを計算することにより分析した。 まず、牛肉の関連産業である畜産加工品のERPを見ると、1986年には23.1%であったが、1991年には85.7%まで上昇している。主要原材料の牛肉の内外価格比が低下したためであるが、かなりの競争力上昇につながったのである。 次に、製粉・精穀を主な原料としている麺・パン等を見ると、1986年から1991年にかけて、麺・パン等のERPは上昇したが、39.2%から46.8%へとわずかな上昇幅にとどまっていた。競争力の大幅な上昇にはつながっていないのである。原因のひとつはコメの内外価格比の低下が十分でなかったためである。そこで、1991年における米価の内外価格比が、3.0まで低下した場合を想定し、ERPを計算した。これによると、麺・パン等のERPは51.9%まで上昇することがわかった。 最後に、その他の加工食品を見ると、1986年から1991年にかけてこの部門のERPは9.7%から2.4%へ低下し、この部門に関しては、原材料の価格低下が十分でなかったことがわかった。 (2)インドネシアの軽工業のERPを計測し、自由化政策との対応が確認された。
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