国内資源費用(DRC)の関連指標を用いてインドネシアの食品産業の分析を行うと同時に、昨年度計測した日本農業に関する実証研究を改訂し、報告書を作成した。 (1)インドネシアの実証研究 1980年と1990年に関する名目保護率と有効保護率が計測され農業を含む一次産業では名目保護率が1.33から0.49へ低下し、有効保護率も1.22から0.26へ低下したことがわかった。しかしながら、加工食品では名目保護率は2.54から0.43への低下にとどまったものの、有効保護率は5.38から-0.23へとマイナスへ低下した。食品加工という途上国では重用な産業に対し、マイナスの保護が与えられているわけで、政策上好ましくないことが明らかになった。重工業などの投入財の保護率がまだ高いためであり、今後の改善が望まれる。 (2)日本の実証研究 コメと牛肉の保護率低下により、関連産業の競争力は上昇したが、その他の加工食品では保護水準が低下した。原材料の価格低下が十分でないことがわかる。食品産業の空洞化を問題にするならば、もっと原材料価格低下に関する政策が検討されるべきであろう。
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