土地基盤整備や樹園地の造成等の基礎資料を得る目的で、沖積地と砂丘地の庄内柿樹園地・沖積地のナシとブドウの樹園地等において、各果樹の生育状況(葉面積、果実肥大の経過、糖度、T-R率等)、根群分布、土壌水分張力及び地下水位等の調査を行った。また、同時に、沖積地の庄内柿樹園地の土壌の物理性(粒度分布、三相分布、pF〜水分曲線等)の調査も行った。これらの調査の結果から、次のことが明らかとなった。1.沖積地における庄内柿樹園地の土壌断面の土性は表層から約80cmの深さまでは砂壌土、80cm以深では砂層となっている。土壌硬度は深度30cm前後が最大で、20〜30mmであった。2.地下水位は梅雨期の6月下旬に上昇し、その後、10月まで漸減している。秋→冬→春にかけての地下水位の変動は次のようである。秋には秋雨のために地下水位は上昇する。冬になると、秋雨が雪に変わり、積雪となって地上に蓄積される。従って、降水量が多いにもかかわらず地下水位は漸次低下する。3月になり、日射量が増加し、気温が上昇すると、積雪が解け始め、その結果、地下水位は急激に上昇する。春には、降雨量が少なくなり、地下水位は低下するが、5月の代かき、田植期になり、周辺の水田に水が入ると、地下水位は再び上昇する。暖冬時には、積雪量が少ないので、地下水位は比較的高い傾向となる。3.地下水位の出現しない深度90cm以浅の土層に、全根量の98%の根が分布しており、地下水の出現する深度では、果樹の根の生育はきわめて困難である。4.柿樹の葉面積指数は、5月中旬から6月下旬にかけて急増し、7月下旬から8月上旬頃に最大となり、9月下旬から10月下旬にかけて急減している。5.沖積地の庄内柿樹園地では、土壌水分張力値は深度10cm、20cm、30cm…‥の順序で、表層から深層部へと増大している。これに対して、砂丘地の庄内柿樹園地では、深度、50、70cm、100cm、30cmの順序で、土壌水分張力値が増大している。
|