研究概要 |
平成4年度は農家の除草作業の実態調査や身体的負担の検討を行い,除草作業の安全性を考慮した畦畔法面形状の提案を行った。本年度は以下の諸点を明らかにした。 (1)前年度に続き,法先及び法面上に小段を設置した場合の除草作業の身体的負担を検討した結果,小段設置の効果が確認できた。 (2)傾斜1/20以上の急傾斜地水田で,除草作業を考慮した圃場整備計画を樹立するための,技術的条件と計画的条件を検討した。 (3)技術的条件として,i)除草面積を縮小する工法として等高線型区画の採用と用・排水路のパイプライン化,ii)除草作業に適した畦畔法面として法先及び法面上への小段の設置,の必要性を明らかにした。 (4)技術的条件を圃場整備に導入する計画的条件として,i)維持管理に適した技術導入の必要性に対する農家の理解,ii)複雑な設計を可能にする設計支援システムの必要性,iii)(3)の技術を採用した計画のわかりやすい表示方法として,パソコンを利用した数値地形モデルの必要性等を明らかにした。 (5)長野県長谷村の山間急傾斜地水田で,(3)及び(4)の技術的条件と計画的条件を満たす圃場整備計画を樹立し,農家へ提示した。 その結果,計画手法及び計画について農家から好評を得て,技術的条件と計画的条件の有効性を確認した。
|