乳組成分の濃度測定と乳房炎診断における近赤外分光の有効性て検討を行った。第一実験では5か月間(9月〜1月)にわたっ1回、朝および夕の搾乳時に総計で200頭の分析用の牛乳試料した。第二実験では朝の搾乳時に前搾り乳を分房別に採取した。使用した分房乳の試料は総計で160個であった。 牛乳試料については脂肪率、乳たんぱく質率、乳糖率、無脂固はMilko-scanで、牛乳中の体細胞数はFoss-somaticを用いて測定また、分房乳については電気伝導度も測定した。分光分析では中近赤外の波長を用いた。結果は多重回帰分析で解析した。 個体毎の牛乳試料で従来の方法と近赤外分光法での乳組成分率値との相関係数を算出した。乳脂肪率では0.99、乳たんぱく質は0.98-0.99、乳糖では0.95-0.99、SNFは0.95-0.99、体細胞数0.88-0.99と強い相関関係が認められた。しかし、全個体を一緒相関関係を算出すると脂肪率0.86、乳たんぱく質0.78、乳糖0.73SNF0.77、体細胞数0.59と相関係数が低くなった。分房乳におい個体別では同じような強い相関関係が認められた。全個体を一緒分房乳の相関関係を算出すると、その相関係数は個体別のそれよなるが個体乳より分房乳の方が高かった。 分房乳の乳房炎乳断では4波長を使うと、95%の信頼度で乳房を検出できた。これに対して電気伝導度では88%の信頼度であり外分光による乳房炎診断が有効であることが明らかとなった。
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