1.圃場試験 実際栽培でのリードカナリーグラスの利点と問題点を明らかにするため、リードカナリーグラス、オーチャードグラス及びトールフェスクの利用3年目の牧草地を、それぞれ、年間3.4.5回刈り取り、それらの収量と品質を比較した。 乾物収量では草種間に有意差はなかったが、リードカナリーグラスは消化率が低く、可消化有機物収量も年間4、5回刈りでは他の草種より有意に低く、珪酸含有率は季節を通じて高くなった。アルカロイド含有率はすべて0.20%を下廻り、問題はないと考えられた。 2.ポット試験 夏季高温乾燥時でのリードカナリーグラスのアルカロイド含有率と刈株貯蔵炭水化物含有率の関係を明らかにするため、リードカナリーグラスを移植したポットをガラス室に入れて給水を制限した区と、同灌水区及び戸外区を比較した。給水制限区の刈取後1、2週目のアルカロイド含有率はかなり高まったが、刈株貯蔵炭水化物含有率の低下はむしろ小さかった。
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