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1993 年度 実績報告書

黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)のパルス状放出を制御する中枢機構

研究課題

研究課題/領域番号 04660289
研究機関名古屋大学

研究代表者

前田 敬一郎  名古屋大学, 農学部, 助教授 (30181580)

キーワード黄体形成ホルモン / 黄体形成ホルモン放出ホルモン / ストレス / 卵巣 / 視床下部 / 下垂体
研究概要

(1)絶食ストレスにより誘起されるLH分泌抑制のメカニズム
絶食ストレス時にみられるLH分泌抑制において、PVNへのカテコールアミン作働性神経入力及びCRH放出が関与しているかどうかを確かめるため、以下の実験を行った。まず最初に48時間絶食させた動物のPVN内へカテコールアミン合成酵素のひとつ、tyrosine hydroxulaseの阻害剤であるα-methyl-p-tyrosine(AMPT)を微量投与し、LH分泌を観察した結果、AMPT投与群では絶食ストレスによるLH分泌抑制は阻害された。このことは、PVNに投射するカテコールアミン作働性ニューロンが、絶食ストレスによるLH分泌に関与していることを示す。次にCRH受容体の拮抗剤であるa-helical CRFを脳室内に投与した結果、絶食ストレスに対するLH分泌の抑制は解除され、非絶食群と変わりのない盛んなLH分泌が観察された。このことから、このLH分泌抑制機構にはCRHが深く関与しており、われわれがたてた仮説をすべて裏付ける結果となった。
(2)パルス状LH分泌の発生メカニズム
LHRH pulse generatorはLHRHニューロンとは別のニューロン群であり、LHRHニューロンの神経末端が存在する正中隆起においてLHRHの放出を制御し、パルス状の放出を発生させているという仮説に基づき、正中隆起においてLHRHの放出を促している神経伝達物質の検索を行った。慢性的に卵巣除去しておいたラットから正中隆起組織片を取り出し、試験管内にて各種神経伝達物質を添加し、LHRHの放出を観察した。その結果、モノアミン類は全く効果を示さず、唯一効果があったのは興奮性アミノ酸であった。また、この物質を介したLHRHの放出はNMDA型、AMPA型およびkainate型の3つのタイプの受容体を介していることが明らかとなった。さらに、この受容体を介したLHRH放出機構が生理的であることを示すため、in vivoにおいて正中隆起領域にこれらの受容体の拮抗剤を投与したところ、パルス状LH分泌が抑制され、この機構が生理的にも働いていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Maeda,Kei-ichiro: "Involvement of the catecholaminergic input to the paraventricular nucleus and of corticotropin-releasing hormone in the fasting-induced suppression of luteinizing hormone release in female rats." Endocrinology. 134(in press). (1994)

  • [文献書誌] Tsukamura,Hiroko: "Corticotropin-releasing hormone mediates suppression of pulsatile luteinizing hormone secretion induced by activation of α-adrenergic receptors in the paraventricular nucleus in female rats." Endocrinology. 134(in press). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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