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1992 年度 実績報告書

ニワトリ・オルニチントランスカルバミラーゼ遺伝子の遺伝制御

研究課題

研究課題/領域番号 04660291
研究機関神戸大学

研究代表者

辻 荘一  神戸大学, 農学部, 助教授 (10031220)

研究分担者 向井 文雄  神戸大学, 農学部, 助手 (50093323)
キーワードオルニチントランスカルバミラーゼ / ニワトリ / cDNA / ミトコンドリア
研究概要

オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)は哺乳動物では肝臓のミトコンドリアに限って発現される酵素である。尿素の代りに尿酸を排泄する鳥類では本来OTCの必要性はない。それにもかかわらず、ニワトリにもこの酵素が腎臓で発現されるものがある。申請者はこのOTCを持つもの、持たないものの2種類のニワトリ系統を作出し、維持している。ニワトリではOTC遺伝子の発現の臓器特異性が崩れ、腎臓以外の臓器ではミトコンドリアに組み込まれず、細胞質中に前躯体として存在する。また、活性の高い変異体でのOTC活性は卵黄飼料の給与によって誘導されるのに対して、活性の低い変異体では卵黄飼料による誘導は見られない。この様な現象はラットやヒトでは観察されない。このようにニワトリOTCの遺伝子発現は特異的である。そこで、本研究では遺伝子工学的手法を用いてニワトリOTCの酵素蛋白質の組織特異的発現や細胞内局在性の仕組みを比較生化学的立場から明らかにしようとしたものである。まず、活性の高いニワトリ系統を用い、そのヒナに卵黄飼料を給与し、OTC活性を誘導する。次いで、このヒナからmRNAを精製し、cDNAを合成後、cDNAライブラリーを作成した。このライブラリーからラットOTCをプローブとして、遺伝子クローニングを行い、そのクローンに含まれるニワトリOTCの遺伝子を分離精製し、M13ファージベクター組み込んで、塩基配列の決定を行った。ニワトリOTCのcDNAのサイズは1294bpで、5'非翻訳領域が84bp,蛋白質翻訳領域が1062bp,3'非翻訳領域が148bpであった。この塩基配列から予測される蛋白質翻訳領域はアミノ酸353残基で、ラットやヒトのOTCの前躯体と比較するとミトコンドリアリーダーペプチドの部分で、一個のアミノ酸が欠落していた。この塩基配列からOTC前躯体の蛋白質の分子量は40kdと推定され、以前の研究で得られた結果と一致した。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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