研究課題/領域番号 |
04660305
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 桂一 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021710)
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研究分担者 |
大谷 滋 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90115395)
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キーワード | 産卵中鶏 / 休産鶏 / 小腸粘膜上皮細胞 / 卵黄コレステロール / HMG-CoA reductase / 肝臓 / 絨毛細胞 / 陰窩細胞 |
研究概要 |
目的:昨年度は成長中鶏に種々の不飽和脂肪酸を含んでいる油脂あるいは炭素数の異なる飽和脂肪酸から成るトリグリセリドを投与し、肝臓と小腸におけるコレステロール合成(HNG-CoA reductase活性)に及ぼす影響を観察した。本年度は小腸で合成されるコレステロールが卵黄のコレステロールの原料として利用されているのかを検討するために産卵及び休産中鶏の小腸粘膜上皮でのコレステロール合成を検討した。方法:産卵及び休産中鶏を供試し、肝臓と小腸を採取した。小腸は空腸と回腸に分け、さらに粘膜上皮を絨毛細胞と陰窩細胞に分離して、それぞれのHMG-CoA reductase活性を測定した。 結果:肝臓でのHMG-CoA reductase活性は産卵中鶏の方が休産鶏に比べて統計的に有意に高い値を示した。小腸粘膜上皮のHMG-CoA reductase活性は産卵中鶏の方が休産鶏に比べて低い値を示し、小腸粘膜上皮で合成されるコレステロールは卵黄形成には関与していないことが推察された。産卵及び休産中いずれの鶏も回腸粘膜上皮細胞のHMG-CoA reductaseは空腸粘膜上皮細胞のそれより統計的に有意に高い値を示した。小腸粘膜上皮の絨毛細胞及び陰窩細胞のHMG-CoA reductase活性では、陰窩細胞の方が高い値を示し、その差は回腸粘膜上皮の方が大きかった。HMG-CoA reductase活性は、肝細胞ではミクロソーム画分に局在しているのに対して、絨毛細胞及び陰窩細胞では、空腸、回腸ともにミトコンドリア画分が最も高い活性を示し、次いでミクロソームと細胞質画分の活性が高かった。また、各画分にもこの酵素の活性が観察された。血清中のいづれの脂肪画分濃度においても、休産鶏に比べて産卵中鶏の方が著しく高く、特にトリグリセリド画分濃度は10倍近い値を示した。肝臓及び小腸粘膜上皮中の各紙質画分含量は産卵中と休産中鶏との間には大きな差は見られなかった。
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