研究概要 |
【1.筋肉素地のスペクトル特性】無色素の筋肉と仮想される素地は非実在のため、未解明であった。しかし、素地の反射率スペクトルは反射分光法の基線となる極めて重要な特性である。そこで、漂白試料について粉体の光学的特性関数を検討したところ、素地の特徴を示す関数を得、短波長ほど低くなる特性曲線が解明できた。基線は不明なため一定とみなしていた従来の問題点が解決した。 【2.Mb誘導形態の自動判別】解明された素地のスペクトル特性を基線とする〓スペクトルの解析結果をパラメータとして、従来法より適切にMb誘導形態をコンピュータ自動判別できた。 【3.色調現象の特性化】色調は反射率スペクトルからCIEXYZ値を算出し数値化された。各X,Y,Z値の逆数は相互に直線関係が認められ、CIEXYZ特性を特た。CIEXYZ特性関数はMb誘導形態で係数のみ異なる同一関数で示された。CIEXYZ特性を変換し、感覚と対応する特有な放物線状のCIELAB色調特性が見出された。 【4.色調特性の視覚化とA・I処理】〓スペクトルについて解析し、Mb誘導形態と色調特性との対応関係をコンピュータでグラフィック表示し、瞬時かつ総合的に視覚化した。表示は〓スペクトル、Mb誘導形態、食肉の色調の明度、彩度ならびに食肉の色調特性に関する典型性・異常性などである。色調現象はパラメータが多いので、その解釈において人の判断では限界がある。そこで、この過程で得られた解析関数を用いてAI処理のパラメータとして展開し、色調現象の特徴および典型性をコンピュータ処理によって自動的に文章化ならびに自動判定ができた。 【今後の展開】本研究の成果はリアルタイムで食肉の色調現象に関与する生化学的様相の取得および客観的品質の判定・管理に展開されることが期待される。
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