研究課題/領域番号 |
04660338
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
森田 千春 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (50072369)
|
研究分担者 |
網 康至 国立予防衛生研究所, 動物管理室, 研究官 (10202699)
上野 弘志 , 講師 (60137411)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス / L CMV / ハツカネズミ / Mus musculns / 亜種 / 疫学 |
研究概要 |
わが国の6カ所の地域で抗体調査を行い、LCMウイルスの侵入の認められた2カ所は何れも国際貿易港であることが見出された。これらハツカネズミの遺伝的解析からその侵入は南アジア、東南アジアに分布するM.m.castaneusにより持ち込まれたと推定された。しかし、同亜種の生息範囲でのLCMウイルスの存在は知られていなかった。この為、中国を含む6カ国での調査によりこれら M.m.cataneusの生息する地域にもLCMウイルスが存在することが確かめられた。また、中国では他の北方亜種であるM.m.gansuensisの分布に一致してLCMウイルスの分布が認められた。以上の2亜種におけるLCMの存在は世界で初めての報告である。 一方、現在までのLCMウイルスの伝播に関しては実験用マウスの所見から母子感染により伝播するものと考えられてきている。しかしながら、大阪港のような異なる亜種の混在する地域における観察により、野性ハツカネズミでのLCMウイルスの伝播は母子感染のみならず他のハツカネズミからの水平感染も重要であることが明らかとなった。この感染は乳離れ前の幼弱時においても起こり、これは採餌等のために巣を離れた母ネズミが汚染してこれが幼弱時の子ネズミに機械的に伝播すると考えられた。これらの所見は野性動物でのラッサウイルスなどの旧大陸アレナウイルスの伝播を理解する上で重要である。
|