研究課題/領域番号 |
04670025
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
平光 O司 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60049773)
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研究分担者 |
比留間 民子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70118644)
山崎 芳仁 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60200672)
杉 雪子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60137825)
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キーワード | 心臓 / 血管 / 発生 / 細胞分化 / 体外培養 / 内皮細胞 / 心筋細胞 / 平滑筋細胞 |
研究概要 |
心臓の壁は心内膜、心筋層、心外膜の3層からなり、血管の壁も部位による違いはあるが、基本的には内膜、中膜、外膜の3層からつくられている。心内膜と血管内膜は相同であって共通の起源をもつが、心筋層と中膜とは起源が異なっている。また心外膜と血管外膜も本質的に違う本年度は、主な焦点をこれにあわせて、各分化様式を追求した。 1)心筋の分化:ニワトリ胚の心筋の原基は、頭突起期において胚盤の頭方部に有対性に存在する。これを体外培養した場合、ミニマム培地では、心筋は分化しない。これに血清を加えるか、内胚葉をつけると100%心筋になる。すなわち、拍動組織がえられた。増殖因子ではインシュリン様因子、アクチビンが有効であったが、その作用機序はよくわからない。細胞分裂と収縮蛋白合成との関連は次の課題である。 2)心外膜形成:ニワトリ胚では詳しく調べてある。しかしヒト胚ではまだその発生経過がわかっていない。記載レベルではあるが、京都大のコレクションによって初めて解明することができた。 3)心筋モノクローナル抗体の作成:心筋の分化は、最終的には拍動の有無で判定できる。これは分化の結果であってそのプロセスは不明である。収縮に必要な因子のなかで、ミオシン重鎖のモノクローナル抗体がえられた。これは心筋のほか、遅筋、体節筋板にも反応する。さらに興味あることは、この抗体が神経管底板にわずかではあるが反応することである。この部位は、脊索とも関連していて、脊髄の分化にとっては重要な構造である。これは当初の目的ではなかったが、思わぬ結果が得られたものである。ここからグリア細胞の分化することが示唆される。 今年度補助金によって行った研究はまだ論文にはなっていないが、参考までに今年度発表した関連論文をあげておく。
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