研究課題/領域番号 |
04670038
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田口 淳一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50188132)
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研究分担者 |
一谷 幸男 筑波大学, 心理学系, 助教授 (80176289)
井端 泰彦 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079684)
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キーワード | ドパミン受容体 / 受容体サブタイプ / 可溶化 / アフィニティーカラム / 単離精製 / 受容体抗体 / 免疫組織化学 / 免疫電顕 |
研究概要 |
諸種の界面活性剤を用いてウシ線条体のシナプス膜分画からドパミンD2受容体の可溶化を行った場合、ある種の界面活性剤ではD2受容体だけでなく機能的且つ構造的に連関したGTP結合蛋白やアデニル酸シクラーゼも可溶化されていることが明らかになった。この事はこれら二次情報伝達系と構造的にも連関したD2受容体をアフィニティーカラムによる精製後に免疫抗原として用いる場合、多くの問題が生じることを示しており、D2受容体だけを可溶化出来る界面活性剤を用いる必要があると考えられた。また、抗体作成において抗原として必要なD2受容体を精製するためのアフィニティーカラム作成を行ったが、当初計画していた既に報告されている方法(D2受容体に特異的なリガンドを化学的に修飾した後にスペーサーの導入を行い、この誘導体をゲルに結合させる方法)では、ゲルに結合させる前の誘導体の単一精製の困難さという実験手技上の問題が生じ、当研究室の装置などでは不可能であることが判明した。しかしながらこの様な問題を解決するために、D2受容体に特異的に且つゲルへの結合が容易なアミノ基を持つリガンドの入手に成功したので、このリガンドを使用してアフィニティーゲルを作成中である。更に、ドパミン受容体と同様に経膜的情報伝達系の受容体と考えられているr-アミノ酪酸(GABA)、受容体に対する抗体を用いた電顕的免疫細胞化学的研究において、従来から用いられているアビジン-ビオチン化酵素複合体法の発色基質であるジアミノベンチジンのオスミウム酸化に基づく電子密度を観察する方法では、シナプス部における非特異的反応に由来する電子密度が認められるためにシナプス膜における受容体の局在を明確に出来ないが、ジアノベンチジンを金粒子と反応させ銀で増幅した後に生じる粒子を観察する方法を用いることにより、シナプス膜での受容体の局在を明確に出来ることが明らかになった。
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