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1992 年度 実績報告書

脊髄上行性投射ニューロンにおける痛覚伝達関連物質とその制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670039
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

野口 光一  和歌山県立医科大学, 医学部・第二解剖, 助教授 (10212127)

研究分担者 河合 良訓  和歌山県立医科大学, 医学部・第二解剖, 講師 (80211861)
仙波 恵美子  和歌山県立医科大学, 医学部・第二解剖, 教授 (00135691)
キーワード脊髄 / 上行性投射ニューロン / 神経ペプチド / 遺伝子発現 / 侵害刺激 / タキキニン / in situ ハイブリ ダイゼーション
研究概要

ラット足底にCFAなどを注射して作成した末梢炎症モデルに対して、RNAブロットやin situハイブリダイゼーション法にてタキキニン、ダイノルフィン、ガラニン及びCRFなどの神経ペプチドmRNAの変化を検索した。腰髄レベルではダイノルフィンやタキキニンmRNA発現は、末梢炎症側で有意に増加し、後角表層(I.II層)と深層部(V.VI層)で顕著であった。しかし、腰髄レベルのガラニンやCRFは発現量、及び炎症による変化量とも比較的少ないことが明らかになった。Fluoro-goldという逆行性トレーサーを用いた二重標識法による検索は、タキキニンに関しては中脳レベルへ投射する腰髄第1.5層のニューロンにおいて明確に二重標識を証明することが出来た。つまり脊髄から中脳へ投射するニューロンにおいて、末梢の炎症によってタキキニンの発現が増加することが明らかとなり、本経路におけるタキキニンの関与が示唆された。タキキニンやダイノルフィンのように、発現量の多い神経ペプチドではそのmRNAレベルの変化は捉えやすく、二重標識による投射ニューロンの解析も進んでいる。しかし、発現量の少ない神経ペプチドに関しては、トレーサーとの二重標識法におけるin situハイブリダイゼーション法の感度が、通常よりも低下する。現在、二重標識法について改良を加えている。中脳脚傍核部以外に視床各亜核、視床下部などにもfluoro-goldを注入して脊髄中脳路以外の経路についても検討してきた。特に視床に関してはこの経路に関与するニューロンの数が他の経路に比ベて少なく、特に腰髄第1層では少ないことが明らかとなった。中脳、視床その他脳内各部位における各種神経ペプチドを含有する神経終末はそれぞれ脳内の多くの領域より投射しており、特に腰髄の上位投射ニューロンの寄与はかなり低いと考えられる部位が多い。そこで、二重標識法の前にまず上行性伝導路の切断実験により、脳内各部位における神経ペプチドの変化を検索中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Noguchi,K.,Ruda,M.A.: "Gene regulation in an ascending nociceptive pathway:Inflammation-induced increase in preprotachykinin mRNA in rat lamina I spinal projection neurons." Journal of Neuroscience. 12. 2563-2572 (1992)

  • [文献書誌] Noguchi,K.,Dubner,R.and Ruda,M.A.: "Preproenkephalin mRNA in spinal dorsal hrn neurons is induced by peripheral inflammation and is colocalized Fos and Fos-related proteins." Neuroscience. 46. 561-570 (1992)

  • [文献書誌] Noguchi,K.,De Leon,M.,Nahin,R.L.,Senba,E.& Ruda,MA: "Quantification of axotomy-induced alteration of neuropeptide mRNAs in dorsal root ganglion neurons with special reference to neuropeptide Y mRNA and the effects of neonatal capsacin treatment." Journal of Neuroscience Research.

  • [文献書誌] Senba,E.,Matsunaga,K.,Tohyama,M.and Noguchi,K.: "Stress-induced c-fos expression in the rat brain:activation mechanism of sympathetic pathway." Brain Research Bullitin.

  • [文献書誌] 野口 光一: "痛みの物質" ブレインサイエンス. 3(1). 51-60 (1992)

  • [文献書誌] 野口 光一: "痛みの組織化学" Brain Medical. 4. 399-404 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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