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1993 年度 実績報告書

レラキシンの子宮平滑筋細胞内情報伝達機序-β作用との比較検討

研究課題

研究課題/領域番号 04670049
研究機関山口大学

研究代表者

長 琢朗  山口大学, 医学部, 教授 (40038691)

研究分担者 轟 奈津子  山口大学, 医学部, 助手 (90253153)
キーワードMg / mag-fura2 / db cAMP / 8-Br cGMP / 子宮筋
研究概要

卵巣除去ラットに17βエストラヂオールを注射し,3日後の子宮縦走筋摘出条片について収縮・膜活動を記録した。またCa/Mg蛍光指示薬(mag-fura 2AM)を細胞内に負荷し細胞内Mg濃度を測定し,以下の実験結果を得た。(1)mag-fura 2とMgの解離定数を2.0mMと設定すれば,Mg欠除クレブス中に浸した筋条片の細胞内自由Mg濃度は380μMと算出される。Ca欠除・40mM Kのイオン組成に15mM Mgを添加した潅流液に筋条片を10分浸すと,細胞内Mg濃度は420μMに増加し,この濃度はその後筋条片をMg欠除クレブス液中に戻して後1時間は保持される。(2)電気刺激により誘発された収縮のdb cAMP,8 Br cGMPによる抑制は,上記による細胞内Mg濃度増加処理によって増大した。Mg欠除クレブス液に1.2mM Mgを添加した場合には細胞内自由Mgは変化しない。15mMgを添加すると添加時に細胞内Mgは僅かに増大するが,Mg除去によりコントロール値まで減少する。従って細胞内Mg上昇とその維持には細胞膜の脱分極が必要条件である。(3)レラキシンによる収縮抑制効果は細胞内へのMn負荷により減少することを以前報告した。Mg・Ca欠除,40mM K,0.6mM Mnのイオン組成により,仮定的に細胞内にMnを負荷するとdb cAMPの収縮抑制効果は減少するが,8-Br cGMPの効果は増大することが見出された。(4)以上の実験結果は子宮筋の抑制性信号系が細胞内Mgにより賦活されることを示唆している。その濃度は生化学実験において用いられているMg濃度より遥かに小さい量である。細胞内のMn濃度の測下は目下困難である。少なくともMn負荷についての実験結果から考え,レラキシンの効果においてcGMPの関与は否定される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inoue,H.,Osa,T.and Okuda,M.: "Influence of Mn ion on the action of dibutyryl cyclic AMP and forskolin on contraction,membrane response,and cyclic AMP-dependent protein kinase activity in rat myometrium." Japanese Journal of Physiology. 43. 455-472 (1993)

  • [文献書誌] Osa,T.,Inoue,H.,Todoroki,N.and Cui,D.: "Effects of Mg and Mn ions on the inhibitory action of cyclic nucleotides in the longitudinal myometrium of rat." Japanese Journal of Physiology. 44(1) (印刷中). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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