研究概要 |
1)左心臓へ分布する交感神経活動:左下心臓枝から神経活動,動脈血圧および心拍数を同時記録しながら第1〜第5胸髄の節前枝を順次切断した結果心臓交感神経活動の9,28,36,19及び7%が第1,2,3,4及び5胸髄から供給されていることを見出した。これは心筋量や併行した冠血管の数が上記の割合で制御されていることを示唆した。 2)左心室心節組織間ノルエピネフリン濃度:申請者らが開発した心臓ダイアリーシス法を用いてネコ左心室間隙のノルエピネフリン濃度に及ぼす心臓交感神経刺激の効果及び局所心筋虚血の影響を検討した。神経刺激によってノルエピネフリン濃度は比例的に上昇した。局所虚血を冠動脈閉塞によって発生させると非虚血部のノルエピネフリン濃度は変化しなかったが虚血部のノルエピネフリン濃度は約70倍も増加した。この増加は放出されたノルエピネフリンの再吸収の減少ではなく、終末からの放出増加が重要であることを見出した。以上のことから局所虚血時心筋組織間ノルエピネフリン濃度は不均等となることを示唆した。 3)左心室心筋組織間アセチールコリン濃度:心室管および冠血管に迷走神経支配があるか否かは血流配分の調節に重要である。心臓迷走神経の刺激に比例して組織間アセチールコリン濃度は増加した。このアセチールコリンは交感神経活動の効果を変調させた。節ブロツカ-局所投与と静注の効果の比例から節後迷走神経終末からアセチールコリンを放出していることがわかった。 4)心臓交感神経や迷走神経刺激の冠血管口径への効果は残念ながらX線装置で検出出来なかった。しかし,同じ神経支配下の肺血管口径は特徴ある制御をうけていることが判明した。そこで、これらのデータを示した。肺血管と冠血管の神経支配の差異と同質性に関しては将来に残された。
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