研究課題/領域番号 |
04670085
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助手 (40223276)
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研究分担者 |
今永 一成 福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
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キーワード | Ca^<2+> / A電流 / 一過性外向き電流 / モルモット / 心筋 / 4-aminopyridine / TEA / 不活性化 |
研究概要 |
細胞外液からCa^<2+>を除去しても、内向き整流K電流は全く影響を受けなかったが、脱分極側で一過性の外向き電流が発生した。quinidine及びD-600はこの一過性の外向き電流を抑制した。また、両薬物存在下では一過性外向き電流の不活性化の時間経過が促進された。そこで、一過性成分の面積(電荷量)を求めて、抑制の濃度依存性を調べた。この目的のためインターフェース(ITC 16)を購入した。インターフェースによりデータのA-D変換を行い、コンピューターを用いて面積を求めた。0.1mM Cd^<2+>は+50mVよりマイナス側の膜電位でこの一過性の外向き電流を抑制したが、60mVよりプラス側では膜電位依存性に電流が励起された。0.5mM Cd^<2+>存在下ではこの閾値が20mVプラス側に移った。このことは、大きいプラスの電位勾配によってCd^<2+>がそのbinding siteからはじき出され、チャネル抑制がとれることを示唆する。一価陽イオンをN-D-methylglucamine(NMG)で置換したCa^<2+>除去液で、150msの脱分極パルスで誘発される電流は、一過性成分とplateau成分より構成されている。これらの2つの成分はNMGをTEAで置換しても影響されなかったが、4-aminopyridineで置換すると一過性成分はほとんど消失し、plateau成分のみが残った。一方、細胞内のK^+をTEAで置換すると両成分は全く消失した。次にdouble pulse法により両成分の不活性化の時間依存性を検討した。OmVに保持する期間が3msから100msへ長くなるに従い、徐々に一過性成分は抑制されたが、plateau成分は全く影響を受けなかった。300msのconditioning pulseにより一過性成分は完全に消失したが、plateau成分は約10%抑制されるだけだった。一過性成分の不活性化の時間経過は膜電位依存性を示さず、時定数35msの指数関数で表された。また、膜電位依存性の不活性化はBoltzmannの式で表現でき、そのV_<1/2>とslope factorは-33.5mVと7.5mVであった。
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