研究課題/領域番号 |
04670099
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
山岡 貞夫 独協医科大学, 医学部, 教授 (50049813)
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研究分担者 |
高久保 文恵 独協医科大学, 医学部, 助手 (60143591)
鯉淵 典之 独協医科大学, 医学部, 助手 (80234681)
大竹 英樹 独協医科大学, 医学部, 助教授 (00049214)
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キーワード | 概日リズム / 神経ペプチド / 視交叉上核 / 時計関連遺伝子 / 細胞培養 / アニソマイシン / Differential Display法 / クローニング |
研究概要 |
1.In vivoの実験:行動のリズムを指標にFree-running状態のラットを用いて、視交叉上核(SCN)内に存在する試験ペプチド、VIP,SHIHの抗体、AVPの拮抗物質をSCN内に投与してリズム位相の変化を検索した。その結果SRIHの抗体、AVPの拮抗物質は全く変化を示さず、VIP抗体は効果の判定に苦慮したが活動期末期に投与するとリズム位相が前進し、光刺激による変化と同様の傾向と考えられる。光情報伝達物質GlutamateのagonistのNMDAの投与も同様の変化を示した。 2.In vitroの実験:前年に確立したSCN細胞の細胞培養系でAVPリズムを指標にAnisomisinを作用させたところ、非常に明白な位相遅延を示し、最大変位はCT6:00付近であった。この結果はin vivoの報告と一致するがはるかに大きな変化であり、非常に優れた生体外リズムモデルであることを確認した。 3.時計関連遺伝子のクローニング: 眼球摘出ラットで行動のリズムを指標として、異なるリズム相2点(サーカディアンタイムCT CT10.00及びCT22.00,行動開始時=CT12.00)で屠殺しSCNを摘出しプールした。これらSCNより4M Guanidine thioyante溶液を用いて全RNAを抽出し、この全RNAを用いてDifferential Display法で、上記CT2点で発現レベルの異なる遺伝子を検出した。Differential Display法は、また非常に感度の高い方法であり、大量に得ることが困難であるSCNから目的のmRANを検出するには最適の方法である。この方法により300bpから800bpの範囲で約30の発現レベルの異なる遺伝子を検出した。今後、これらをプローブとして、SCNの全RNAからオリゴdTを用いて精製したmRNAから作製したigt10 cDNAライブラリーをスクリーニングする。ポジティブなクローン、すなわち時計関連の遺伝子と考えられるものをピックアップする。
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