研究課題/領域番号 |
04670099
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
山岡 貞夫 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50049813)
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研究分担者 |
高久保 文恵 愛媛大学, 医学部, 助手 (60143591)
鯉淵 典之 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80234681)
大竹 英樹 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00049214)
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キーワード | 概日リズム / 時計関連遺伝子 / Differential Plaque Hybridization / クローニング / 視交叉上核 / Differential Display法 |
研究概要 |
時計関連遺伝子のクローニング: 昨年度、眼球摘出ラットで行動のリズムを指標として、異なるリズム相2点(概日時間CT CT10.00及びCT22.00,行動開始時=CT12.00)で屠殺しSCNを摘出しプールした。これらSCNより全RNAを抽出し、Differential Display法で、上記CT2点で約30の発現レベルの異なる遺伝子を検出した。今年度は同様の方法でプールしたSCNより抽出した全RNAよりオリゴdTカラムでpoly(A^+)RNAを精製し、このpoly(A^+)RNAからreverse transcriptaseでcDNAを合成した。このcDNAをベクター(λgt22A)に組み入れ大腸菌を宿主としてcDNAライブラリーを作成した。CT10.00及びCT22.00のサンプルからそれぞれ5.5×10^6PFU及び2.3×10^6PFUのcDNAライブラリーが得られた。これらを更に増幅後、^<32>PでラベルしたSCNのpoly(A^+)RNAをプローブとしてPlaque Hybridization法によりスクリーニングし、CT10.00のSCNに高レベルに発現しているクローンを63個、CT22.00のSCNに高レベルに発現しているクローンを43個ピックアップした。その後平成6年9月に分担者高久保が愛媛大学医学部に転出したため実験の引き継ぎに相当の時間がかかった。しかし現在、得られたクローンの代表的なものを選んでサブクローニング中であり、続いてそれらの塩基配列の決定を予定している。本実験は初期の予想に反し非常に困難であり、本課題での最終年度であるが年度内に目的を達成することは不可能なった。しかし実験は目的達成まで継続する。国際的に見ても我々より早期に同様の実験を開始したところが数カ所あるが、いずれもまだ完結したとの報告は無い。本課題の予定実験は時計関連遺伝子のクローニング以外はすべて完結し昨年度までに報告した。この他今年度は脳に海綿様変性を起こすZitter Ratを利用して行動の概日リズム及び免疫組織学的検索を行い、早期にリズムの加齢変化を示して概日性が消失した。従って、この動物の発育過程のリズム追究は、本課題のモデルに利用できる可能性がある。
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