TータイプのCa^<2+>チャンネルを発現するmyeloma細胞よりRNAを取り、ランダム プライマーおよびオリゴdTプライマーを用いて、cDNAを作製した。すでに報告されているLータイプのCa^<2+>チャンネルのアミノ酸配列をもとに、チャンネルの機能に一般的に重要で、チャンネルのタイプを越えて保存されていると思われる配列(IVS3ーIVS4附近)について、縮退したオリゴDNAプライマーを化学合成し、PCR法により上記cDNAからチャンネルのものと思われる遺伝子を増幅し、配列を決定した。新たに得られた配列をもとに、同様のPCR法によりこれまでに報告はされていないが、チャンネルの配列にホモロジーが高い新しい配列を見つけ、2Kベースに渡り、配列を決定した。 得られた配列のなかで、特にユニークで他のチャンネルに見られない配列について 40ベースのアンチセンス オリゴDNAを化学合成した。このオリゴDNAをプローブとし、もとのmyeloma細胞および 対照の細胞のRNAについて、ノーザンブロット ハイブリダイゼーションを行ったところ、プローブは、myeloma細胞の8Kベース附近のRNAには結合するが、TータイプのCa^<2+>チャンネルをほとんど発現しない対照のマウス骨格筋由来のC_2C_<12>細胞、マウスmyeloma細胞MPC11細胞のRNAにほとんど結合しないことが分かった。すなわちこの遺伝子は、目的のTータイプCa^<2+>チャンネル遺伝子である可能性が高い。 さらに、カエルのOocyteにこの遺伝子を発現させるために、また上記(研究計画・方法、変更点の項参照)の様にアンチセンス オリゴによる発現の阻害実験を行うための実験系が必要であり、Oocyteから電流記録を行うための、コンピューター制御の膜電位固定用、刺激および記録装置を作製、準備した。
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