研究課題/領域番号 |
04670116
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒田 正男 大阪大学, 医学部, 講師 (90028556)
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研究分担者 |
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
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キーワード | ヒスタミン / アセチルコリン / プロスタグランジン / アストロサイト / カルシウム / イノシトールリン酸 / サイクリックAMP |
研究概要 |
培養アストロサイトは1型および2型に分離して培養することが可能である。我々は1型アストロサイトにヒスタミンH2受容体が発現し、2型アストロサイトにヒスタミンH1受容体が発現することを見いだした。また、ヒスタミン受容体以外に種々の神経伝達物質および神経調節物質に対する受容体が培養アストロサイトに発現することを見いだし、アストロサイトが神経の標的になることを示唆した。アセチルコリンは代表的な神経伝達物質であるが培養アストロサイトにおいてアセチルコリン刺激によりイノシトールリン酸が蓄積された。アセチルコリン拮抗薬を用いる実験により培養アストロサイトには1型、2型共にm3受容体が発現していることを見いだした。プロスタグランジンは代表的な神経調節物質であり、グリア細胞で産生されることが知られている。1型アストロサイトにおいてプロスタグランジンF2αは細胞内カルシウムイオン濃度の上昇およびイノシトールリン酸の蓄積を引き起こした。しかし、プロスタグランジンF2αは2型アストロサイトに対しては1型に見られた作用はなかった。これに対して、2型アストロサイトにおいてプロスタグランジンE2およびプロスタグランジンE1の刺激によりサイクリックAMPの蓄積が促進された。この結果、プロスタグランジン受容体に関してもヒスタミン受容体と同様に1型および2型アストロサイトにおける受容体サブタイプの異なる分布が認められた。ヒスタミン受容体が脳切片のアストロサイトにおいて実際に発現するかどうかを検討した。ヒトヒスタミンH1受容体遺伝子をプローブにしたin situ hybridizationにおいてヒスタミンH1受容体mRNAがアストロサイトに発現することを確認した。
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