研究課題/領域番号 |
04670135
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
斧 秀勇 山形大学, 医学部, 助教授 (40160915)
|
研究分担者 |
石川 和信 山形大学, 医学部, 助手 (80222959)
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
|
キーワード | ミトコンドリア蛋白質前駆体 / コンタクトサイト / 輸送装置 / 膜透過装置 / 膜間腔蛋白質 / ミトコンドリア |
研究概要 |
ミトコンドリア蛋白質前駆体はそのN末端部にいわゆるプレ配列を持ち、これがミトコンドリア輸送のシグナルとなる。また、ミトコンドリアの外膜と内膜とから成るコンタクトサイトには複数の蛋白質で構成される前駆体蛋白質輸入装置があり、ここで前駆体蛋白質のシグナルを認識しミトコンドリア内に輸入する。我々はこの輸入装置の構成蛋白質を今迄三種類(29kDa蛋白質、42kDa蛋白質、52kDa蛋白質)分離同定した。このうち29kDa蛋白質はN末端がブロックされていないので、N末端側アミノ酸配列に基づきオリゴDNAを作成し、それをプローブとしてラット肝cDNAライブラリーからスクリーニングを試みた。その結果、二、三のクローンを得たので現在その塩基配列を解析中である。 ミトコンドリアの膜間腔蛋白質前駆体のプレ配列は比較的長く、その中に二つのシグナルが存在する。第一のシグナルはマトリックスへの輸入シグナルと同様の特徴を持つが、第二のシグナルは真核及び原核細胞の細胞外分泌蛋白質と共通の特徴を有する。これらの事実から膜間腔蛋白質は第一シグナルにより一度マトリックス内に入り、次いで第二シグナルによってマトリックス側から内膜を透過し膜間腔へ定着するという説が有力である。この説に従えば内膜には第二のシグナルを認識し、輸送する装置が存在するはづである。そこで我々は第二のシグナルの特徴を持つ蛋白質としてラットプレプロアルブミンを選び、内膜小胞とその逆転小胞を用いて検討した。その結果、プレプロアルブミンは内膜から膜間腔へのみ一方的に輸送されること、この輸送には内膜ポテンシャルを必要としないがATPは必須であること、などを明らかにした。
|