研究概要 |
まず、λfooファージDNAのHindIII/EcoRIサイトにBauhinia Purpurea lectin(BPAレクチン)のcDNAを組み込むことを試みた。HindIIIサイト,EcoRIサイトを付けたPCR用のオリゴDNAプライマーを作成し、PCRを行なったのち、BPAレクチンをコードするcDNAを作成した。このcDNAをHindIII/EcoRI処理後,cDNAをゲルから回収し,λfooファージDNAに結合させた。パッケージング後、大腸菌に感染させ増殖させたのちBPAレクチンがファージの表面に発現されているか否かの検討を行なった。 (1)まず、cDNAがλfooファージDNAに確かに挿入されているか否かを,そのcDNAを組み込んだ前後の配列をプライマーにし,PCRによって確認を行なった。次に,抗BPA抗体を用い,BPAレクチンの発現の確認を行なった。λfooファージをCsClの密度勾配遠心法により調製後,SDS-電気泳動しウエスタンブロットを行なった。抗BPA抗体で染色しBPAレクチンと思われるバンドの確認ができた。 このように発現したファージを上と同様の方法で調製後ラクトースセファロースのアフィニティカラムにかけた。カラム溶量の3倍の緩衝液で溶出後,O.1Mラクトースを含む同緩衝液で溶出した。各フラクション中に含まれるファージの数は、大腸菌に感染させプラークを数えることにより測定したが、λfooファージにレクチンは発現しているものの糖との結合は確認できなかった。
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