マメ科植物の種子中に存在するレクチンは共通の構造を持つが、この糖結合部位をアフィニティクロマトグラフィーによって明らかにした。BPAレクチンでは、135〜143残基に相当するノナペプチドが糖との結合に関与し、その糖結合特異性を規定していたことから、この部位(カルシウムイオンに結合するアミノ酸を除く6アミノ酸)のアミノ酸を任意のアミノ酸に置換したペプチドライブラリーを導入し、レクチンライブラリーの作製を試みた。ペプチドライブラリーは、BPAのcDNAを用い、組み換える部分はオリゴDNAをPCRによって導入しキメラレクチンのcDNAライブラリーを大腸菌で発現させる方法を試みた。第1の方法は、λgt11のEcoRIサイトに組み込みβガラクトシダーゼのC末端に融合タンパク質として発現させる方法を用いた。フィルターにプラークからタンパク質を移し取り、^<125>I標識したガラクトースBSAの結合を指標にスクリーニングを行なった。第2の方法はλfooファージの足の構造タンパク質の融合タンパク質として発現させる系で、ファージ粒子をそのまま糖を固定化したアフィニティカラムにのせ、そのまま結合するファージ(ラクトースで溶出できる)と結合しないファージの分離を行なった。その結果、前者では非特異的な結合が多く、後者では結合するものが見つからなかった。
|